しょうゆ味・カスタム

フツウの毎日

家族と過ごす水曜日

今日は父の化学治療の日だった。採血・問診を経て約5時間の抗がん剤投与を行う。私は5週間に1回行われる化学治療の日は仕事を休んで終日付き添うことにしている。
いつもなら終了時間が17時~18時くらいなのに今日は投与のスタート時間が早かったため16時には終了していた。いつもより病院を出たのが早かったので、父が「父ちゃん、園芸の本が欲しいんやけどな…。」と言う。それから家族全員で本屋へ行き園芸書籍のコーナーでアレが良いコレが良いと本を手に取って中を見てはまた棚へ戻し、何回かそれを繰り返し暫くして父が選んだ「園芸の基礎本」と弟が薦めた「品種別の育て方」の2冊に決めて買ってあげた。買ってあげたのに父は何故か申し訳なさそうにしていた。「もうすぐ父の日やから」と言ってあげればよかったかな。
それから毎回お馴染みの回転寿司へ行った。私たちの席の通路を挟んで隣の席にとても大きなアタッシュケースを置いてお寿司を食べている黒いスーツ姿の年配男性がいた。男性は独りで食べていたので食べ終わるとさっさとお会計をしてスーッと店を出ていったのだが、私はあまり気にしていなかったのに母がやたらと「隣のおっさん、凄い大きな荷物でなんなんやろ」とどうでもいいことを言うので、私は「殺し屋やで。CIAかゴルゴ13やで…」と冗談で言うと父と弟は笑っていたのに母だけは笑わず『何が面白いんや?』とつまらなさそうな顔をしていた。母はもっと漫画やら映画やらの娯楽教養を持つべきだと思った。まぁ私の冗談もクソ面白くなくてどうかと思うけれどもね。