しょうゆ味・カスタム

フツウの毎日

エイチとエッチ問題

建築関係という仕事柄、仕事する相手は殆ど男性である。向こうからしたら私と後輩は男性社会の中での「希少種」なのだろうと思っている。20年近く仕事を続けてきて性別に関係する色んなことがあったのは言うまでもない話なのだが、それはもうたくさんの男性を見てきていると「あ、この人はこういう人なのだろうな」という、なんていうか上手く表現できないけれど、一種の超能力みたいなのが培われてしまった。
今月から取引先のスーパーゼネコンの工事事務所に新しい副所長が来た。会って挨拶はまだしたことがないのだけど、何度かメールや電話で仕事のやり取りはしている。そこで強く感じたのは「どうやら、この副所長…ドスケベやな…」であった。こちらから仮設図面データのメールを送れば必ずお礼の返信が来る。他の副所長や工事長は送ったところでウンともスンとも言わないことが多いのに、この新しい副所長は毎回ジェントルマンを醸し出している返信が来る。まぁ、これだけではただの律儀な男性というだけな感じがするのだけど、なんていうか変な違和感がある。なんかざわざわする。それで今日、電話がかかってきたので話をしていると、

「図面でね、エッチ35メートル以上の足場の壁繋ぎが2段間隔なのを1.5段間隔に修正して欲しいんやけど。エッチね。エッチ35メートル以上のとこ。」
「はい、解りました。」
「エッチ35メートルラインは何階やったっけな…?」
「えー…35メートルの高さだと10階にあたりますね。」

と、この後もおっさんは高さのことを「エッチ」「エッチ」と連呼していた。なんだか途中で私に「エッチ」と言わせようとしている感じがしてきたので、面白半分で「エイチ35メートル以上の範囲で…」「エイチ35メートル以上にある屋上のパラペットに近いところで…」と言う度に、おっさんは「エッチね。エッチ。」と被せてきたので堪らなく可笑しくなって笑いそうになったけれど耐えた。そして私は「エッチ」という言葉は一切言わないで押しきってやった。
ただの私の思い違いならいいのだけれど、次に同じことがあったら「ドスケベ副所長」のあだ名が確定だ。まぁ、この程度で済むのなら全然可愛いもんなのですけどね。