破談を願う
社長が誰かと電話で話をしていた。そして私の名前を連呼している。「まえださんが……まえださんに……まえださんにお願いするので……まえださん…まえださん………」おいおい何回ワシの名前呼んどんねん。はぁ、もう嫌な予感しかない。そう思った私は腹をくくって自席で俯いていると、電話を終えた社長が近づいてきて「現場に行かないといけないかもしれないし、行かなくてもよくなるかもしれないのですけど、2月の4、5、6日、空けといてくれません?お願いします。」と早口で言ってきたと思ったらスーッと消えていった。
ああもう!変な言い回ししんどいからやめてー!頭の中こんがらがって石坂浩二の金田一耕助くらい頭搔きむしっちゃうからやめて!ああ、あと休日出勤やないかい!!ほんで、仕事の内容わい!?何の仕事や!何の仕事するんか教えぇ!?
といった具合で、約5秒の間に私の頭の中のおいでやす小田さんがムキィー!!と叫び倒したのであった。まぁどっちにしろ書類の提出やらがあるのなら代休が取り辛いのよ。泣ける。