しょうゆ味・カスタム

フツウの毎日

辞める詐欺なるか

この日記で連日名前が出てくる私が25年前の入社当初から苦手な人間である営業部長Tさんの話なのだが、前々から風の噂で今年いっぱいで退職すると聞いていた。だけど、直接本人から「退職する」という話を聞いたことは無くあくまで噂として耳にしていたので『まぁ、辞めそうな気配も無いしただ単にかまってちゃんで辞める辞める詐欺なんじゃないのか』と思っていた。そして今日、お昼休み前にTさんが私のところへ来て「たぶん、色んなところから聞いてるかもしれんけど…。」という前置きをして突然自身の退職の話をしてきたのだ。私は周りから色んなことを聞いて知っていたのだが、取って付けたような態度をすることなく淡々と「はい。」と言って、Tさんが一方的に話していることを聞いていた。

具体的に書くととんでもなく長くなってしまうので省略するが、Tさんは一体どれが自分の言いたい要点なのか分からない話し方で話をしているので、私は途中『突っ込みどころ満載だなぁ』と思いながらTさんの一言一句を聞き漏らさず頭の中で要約していた。そして導き出した私の中での結論は『辞める言うてるけど本心は辞めたくないねんやん。この人。』と思った。あと、私が「Tさん辞めないで下さい。辞めたら困ります。」と一言でも欲しいんだとも思った。言わなかったけど。

もうね、30代や40代の働き盛りの人でどうしても出てくる悩みごとや相談ごとに対しては真摯に向き合ってあげたいけれど、Tさんは67歳ぞ。酸いも甘いも知り尽くして生きてきたんじゃないのか。Tさんは「2年前から辞めると上に伝えてるけど、今年も大きな物件が2つあってそれが遅れてるからいつ辞めれるかはっきり分かれへんねや…。」と、しょーもない言い訳めいたことを繰り返し言っていた時に、私はもう段々と腹が立ってきて「それが何?2年前から辞めるって言ってんなら、尚のこと線を引いてスパッと仕事を納めたらええですやん。自分の加減で仕事に区切りをつけて辞められる立場なんですし、みんなが送別会を開いて送りましょうって言ってくれてるのがどれほど幸せなことか分かってるんですか?今まで理不尽なやり方で首を落とされて誰にも見送られずに捨てられていった営業さんたちのことを考えた上でそんな発言してるんですか?ああ?」と眉間にしわを寄せて早口で罵りたくなったが、グッと堪えた。

私の頭は噴火してどうしようもなくなっていたけれど、こんなことが口をついて出てしまったら地雷を踏んで爆死してしまう。よく耐えられたと思う。危なかった。そもそも本人が退職する考えをなんで私が聞かないといけないのか。教えて下さいなんて一言も言っていないのに。本当に面倒臭い人である。さあ、半年後どうなっているだろうか。辞めてる?辞めてない?静かに見守ろうと思う。