アウチ！

後輩が急遽現場に行かないといけなくなったので、代理で別の工事事務所の安全衛生協議会のリモートに参加した。各工事事務所によって協議会の内容にはそれぞれ特色があるのだが、今日参加した工事事務所は災害事例を伝えてばかりだった。作業員が顔面から落ちただの3.6ｍから落ちて手首粉砕骨折だの、聞いていて体のあちこちが痛くなるような内容なので、つい眉間にシワを寄せていたら下請け会社の親方Ｓさんが来て、「どうしたん、めっちゃ渋ちんな顔してるやん。」って言いながら私のパソコンのモニターを覗き込んだ。私が「今、安協やってて、もうなんか辛くなることしか言わんのですよ。」と言うと、Ｓさんは「ああ、ここの事務所、中に入ったら壁に事故事例と写真がズアーッといっぱい貼ってあって、めっちゃ気持ち悪いで。」と言った。私は『なんそれ。シリアルキラーを追うＦＢＩ捜査班やん。』と思った。私の担当外なので後にも先にもこの工事事務所に出向くことは無いだろうけど、もしここに一日いたら結構病みそうな感じである。

Ｓさんが続けて「やっぱり作業してたら人間やから事故する時は事故するで。口酸っぱく言っても完全に無くすことはでけへんて。」と言った。私は「そうですよね。」と返事しながら『作業員の皆がアイアンマンのパワードスーツを着てたら事故ゼロやな。』と思い浮かんだが、それはそれで色々と無茶苦茶な工事現場になりそうだ。